三味線撥修理 その3

地唄撥 片耳象牙加工修理

1.プラスチック素材の地唄七五撥を落として欠けたとのことで、片耳の鼈甲か象牙加工をご提案させていただき、片耳象牙加工をお選びいただきました。

2.少しの欠けでしたら、削って先出しも考えましたが、地唄撥の形状では削っての先出しはバランスも厚みも厳しくなります。

そのため、欠けた場合は耳加工はおすすめでございます。

3.象牙耳加工修理済部分です。

パッと見て、わかりますでしょうか?

実物もよくみないとわからないほど奇麗な仕上がりでございます。上辺直線部分ひらき先端から約34mm耳象牙加工になっております。

4.こちらが裏側になる箇所ですが、こちらは上辺直線部分ひらき先端から約10mm象牙耳加工になっております。

こちらはスクイの際にあたる側ですので欠けた部位の補充箇所を形成しながら面積を拡げないことでに、耳加工の厚みを最小限にしております。

実際にみても、わかりにくい奇麗な仕上がりです。

5.耳象牙加工して強度と薄すぎない等、いろいろな点を考慮した厚みで仕上げてあります。

6.右側が修理した箇所ですが、写真でも実物でもわかりにくい仕上がりです。先端は象牙ですので、象牙の音色を楽しんでいただければと思います。



象牙民謡撥 両耳甲特殊加工修理

1.象牙民謡丸撥に両耳甲特殊加工修理のご紹介。

中国地方のお客様が弊社HPよりお問い合わせいただき、修理ご説明・お見積もりを経て、ご依頼いただき誠にありがとうございました。

2.お客様のご要望でお持ちの民謡象牙丸撥を両耳甲加工で叩けるようにしなりや強度、厚さカスタム修理ご依頼いただきました。

3.しなり強度などを同じようにするために参考になるサンプル撥も一緒に預からせていただきました。

サンプル撥があるとお客様が求めるしなりや強度の参考になりますので、助かります。

4.両耳甲付け加工修理完成品でございます。

耳甲の1辺が最大3.5cmもしくは最大4cmで仕上げるかたちを提案させていただき、お客様が求める強度やしなりのことを考慮して最大4cmの耳甲をお選びいただきました。

片方がサンプル撥より少し強度あるしなり具合、もう片方ができる限りの厚さをご希望。

 

5.上から見たら、厚さの違いがわかると思います。

6.鼈甲素材も綺麗で撥の開きもしっかりあり、お客様のご要望のしなり強度、厚さで仕上がり、新しく生まれ変わった撥を使い込んでいただければと思っております。